花と音楽のある暮らし

花と音楽のある暮らし

2010年7月25日日曜日

10.07.25 夏の香嵐渓~三河湖ライド

10.07.25夏の三河湖ライド

梅雨明け後、猛暑が続いている。身体がまだ暑さに慣れていないうちから、いきなり体温より高い高温続き。中でも東海地方の暑さは突出している。

気象庁発表の37℃はアスファルトの上では優に40℃を超えているだろう。

今日は巴川沿いに香嵐渓に向かい、三河湖を目指す、緑陰のコース。
果たして涼風を感じられるサイクリングになるんだろうか。




まとめて注文したJCAのオレンジジャージが、7月20日頃みんなの手元に届いたので、幹事のミシガンさんが呼びかけて、お揃いで集合する。
いるいる、集合場所の柳川瀬公園にオレンジジャージが大勢集まっている。
他を圧倒するシンプルでインパクトのあるジャージだ。




22名の参加で、まずは巴川沿いに香嵐渓に向かう。
事前に紹介されたコースをルートラボで確認すると、大きな山形の高低図が現れてきつそうに見えるが、実は2~3%くらいの緩斜面らしい。
しかも最初のうちは0.2%程度のほぼ平坦路が続いて、準備運動をかねて足を慣らしていける。




香嵐渓の川見茶屋は茅葺きのお建物で、「きなこ餅」が人気だ。
冷茶もたくさん飲ませてもらって、しばし休憩ののち三河湖に向けて出発。

林道のアップダウンが続く。
光と影のコントラストが強いので、路面の状況を注意深く見ながら走る。




上りになるとやはり遅れる人も出てきて、全員揃うまでしばらく休憩。
この辺りまで来ても、走って風が当たっているときは涼しく感じていた緑陰の道も、止まると風はなく、汗が噴き出てくる。
休憩のたびにボトルの水を飲む。
ずいぶん休憩したので、全員そろうと間髪おかず出発。

今到着したばかりの人は汗を拭く暇もないが、木陰の道だから大丈夫だろう。
ここで休んでしまうと逆に気持ちも途切れてしまうのかもしれない。



今日のサイクリングでは川沿いの緑陰コースを涼を求めて走るのことのほかに、
「CYCLE SPORTS」の「頑張らない上り坂テクニック」を実践すべく、
34×16~17で85~90rpmで走り続けること、
坂によってダンシングとシッティングを切り替えることを密かに目論んでいた。



前方にダムが見えてきた。
橋から見る青い空と湖、濃い緑の森が美しい。しかし橋の上とはいえ照り返しは強烈だ。

三河湖の石碑の前で集合写真を撮ろうと、全員揃うのを待っていたが、ここまでに脚を使ってしまった人にとっては最後の坂がなかなか難関だったらしい。
でも、頑張って上ってきてもらわないと昼ご飯にありつけないからね。




腰掛山荘で思い思いに「山の幸、川の幸」を堪能。




帰路は基本的にずーっと下りのはずが、エネルギーを補充した後は少しは消費しろというミシガンさんの意図が隠されていたのか、楽しいアップダウンが用意されていた。


坂を下った民家の脇で全員揃うのを待った後、惰性もつけられない状態でまた上りだ。

ちょっと開けたところに出てきたら、左手は広大なブドウ園だ。
ミシガンさんが交渉に行っている間、ボトルの水を飲もうとしたら、すでに空になってしまっていた。
「ブドウはいいからガリガリ君が食いたい」などと言っているうちに交渉が成立したのか、ミシガンさんが入ってくるように手招きしている。

農園に入っていくとピオーネのブドウ棚の下に、コーラの自販機とアイスの冷蔵庫。ガリガリ君は見当たらないが、「スイカバー」があった。「初物」




一人100円の参加料で、氷水に冷やしたデラウェアをたくさん用意してくれた。
冷たくて濃い甘みが身体の隅々に染み渡っていく。
休憩所全体を覆って大きな陰を作っているピオーネは、たどっていくと元は一本の幹から大きく枝分かれしていたのだった。



直射日光の下ではボーッとするほどの暑さの中、事故もなくトラブルと言えば、ただ1回のパンクのみ。
下界は16時を回ってもまだまだ厳しい夏の陽射しが照りつけていた。


長い緩斜面を、ケイデンスに留意しながら走り通せて、なかなか心地よい達成感。
三河湖はどのコースも、いつも楽しませてくれる。


このところ連日、多治見市が最高気温を記録して全国的に有名になってしまったが、今日の気象情報では「岡崎市は37℃でした」とアナウンサーが伝えていた。
シャワーを浴びてさっぱりしてから飲むビールは最高だった。

2010年7月18日日曜日

10.07.18 道交法/メカ講習会

10.07.18 道交法メカ講習会

長かった梅雨もようやく明けて、昨日今日と自転車日和になってきたのに、残念ながら今日は室内での講習会。
せめて行き帰りだけでも自転車に乗ろう。
Tシャツにアームカバー、白山スーパー林道で貰ったサコッシュ風の肩掛けバッグ。妙な出で立ちだと家族に笑われながら出発。

信号で止まり止り、会場のアイプラザ津島に到着。
思ったよりは時間が掛かってしまったが、それでも9時前なら大丈夫だ。


いつも探訪あいちで一緒になるメンバーがほとんどで、最初から和気あいあいのムードだ。



10時になると幹事さんが進行していく。
理事長挨拶の後、JD翁が本日の道交法の講師を紹介。
すぐに講習が始まる。

婦警さんによる道交法の解説

まずは<意識>の話。
車の事故で近年特に増えている
 ・出合い頭の事故
 ・追突事故
人は本来、危険予測しながら運転しているので、とっさの危険を回避するのだが、
ケイタイをしながらの運転、
「もしもし、私。あんた今日どこでご飯食べるのぉ」
「わたし、今日ラーメンにしようと思っとるがね」
「ほんで、どこ行くのぉ」
―みたいな、名古屋弁丸出しの、大阪の漫才にも引けを取らないほどのパワフルな話術の後―
そういう、話しながらの運転で、意識が完全に話のほうへ持っていかれてるので、危険予測が出来なくなってしまっている。



その後「グーパー体操」を参加者全員にやらせる。
1)右手でグー、左手でパー。右手でパー、左手でグー。
2)次に右手を前に伸ばしながらパー、左手を胸にグー。右手を胸にグー、左手を伸ばしてパー。
ここまでは皆余裕で出来ている。

3)次に右手を前に伸ばしながらグー、左手を胸にパー。右手を胸にパー、左手を伸ばしてグー。

ここで混乱が生じる。両手ともパーになったり、慌てると次は両手を伸ばしてしまったり。

参加者は童心に帰って笑顔でやっている。(見ようによってはデイサービスの一場面に見えなくもない)
しかしそれこそ参加したことにより一気に引き込まれていく。


次に<周辺視野・盲点>
道路に出る時「左右をよく見なさい」と言われます。
では、どのくらいよく見えるものでしょうか。
人の目は180度~200度の範囲まで見えるといわれています。
では実験です。
両手のヒトサシ指を目の前に立てて、それをず~っと後ろへ持っていってください。180度以上になるまでなんとなく見えますね。
次に両手のヒトサシ指をもう一度目の前に立てて、今度は右目をつぶって右指を後ろへ持っていくと、この位(35度くらい)のところで、もう右指が見えなくなりました。
左目をつぶって左指も同じです。
つまり両目で確認できるのはたった70度程度なのです。
ではどうするか。
人間には首があるんです。
意識して首から動かして確認するんです。
首を回してもよく確認できない時はどうするか。
人には腰があるんです。私にはほとんどないけど。
だから、腰から回してみるんです。

こんどはもう一度両手のヒトサシ指を立てて、左指は前にして、左目をつぶります。
右指は右の方からゆっくり前に持ってきます。
ある程度――人によって違いますが左指と15cm位になった時に右指が消えます。
これが盲点です。
人の特性としてこういうことがあるんです。

それから、車を運転している時に、2つ先、3つ先の信号で曲がるんだと、意識をそちらに集中してしまうと、手前の信号を見落としてしまう。そういうことが起きてくるんです。

<自転車に関する道交法>
自転車は「軽車両」です。
軽車両は他には「馬・牛・リヤカー」があります。
――(馬!牛!)生徒一様に驚く――
軽車両は車道の左側端(さそくたん)を走ることと規定されています。
それから(ホワイトボードに標識の絵を描いて)こういう標識のある歩道だけは自転車も走ることが出来る。走らなければならないではありません。走ることが出来る、です。
ただし、こういう標識のない歩道でも、70才以上の人、または13歳未満の人は走ることが出来ます。




そのあと参加者の質問に答える形で、
◎横断歩道の渡り方
・歩行者用の横断歩道だけがある場合で、人がいない時はそのまま横断歩道を走ります。横断歩道に人がいる時、自転車は降りて歩行者となって渡る。
この時、歩行者信号に従って渡ります。
・自転車用横断用の線が引かれている場合は、自転車はここを渡らなければならない。――車道から少し左に入ってこのラインの中を通り、渡ったら右に出て車道を走る。このとき見る信号は車両用の信号です。
◎スクランブル交差点、セミスクランブル交差点の渡り方
等々、例の名古屋弁丸出しの一人漫才、身振り手振りを交えての熱演は爆笑のうちに予定時刻を過ぎる。

<交通道徳という考え方>
相手を思いやる。運転する人の心の問題。
自分は凶器を持っているんだ、それを相手に向かって振りかざしていくのか、人を傷つけないよう鞘に入れたり自分の方に向けるのか。
子供たちにも積極的に繰り返し教室を開いて、交通道徳を植えつけていく。
次の世代に繋げていく。

最後に、用意してきた「酩酊メガネ」を掛けて歩いてもらう。
視野が狭くなり、暗く、ものが曲がって見える。メガネをかけた途端モウロウとした気分になって、一歩二歩踏み出しただけで物にぶつかってしまう。
徐々に酔っ払った人はこういう状態になっても「全然大丈夫だ」と言い張るが、実はこういう危険な状態に陥っているのだと全員が体験した。




道交法が制定された歴史や経緯。実情に合わせて少しずつ改正されていること。
ただし、道路を造るのは百年計画といわれるように、自転車先進国を見習ってすぐに同じように出来ることではない。など、非常によく勉強されて、説得力のある講習会だった。





<メカ講習会>
Ohbaya4さんとH澄さんによる講義と実践

◎パンク修理
実際にパンクさせたタイヤから、チューブを取り出しパンク箇所を探し出してパッチ貼り。チューブを元に戻して携帯ポンプで空気を入れるところまで。
実演と、希望者による実習の手助けを軽妙な語り口と細部にわたる注意点の指摘。
昼食を挟んでの実習に参加者も傍観者も熱心に取り組む。
実習生は見事にやり終えて自信をつけた。



◎チェーン切り
8速・9速・10速用のチェーンのピンの大きさと形状の違い。
専用工具を使っての「チェーン切り/チェーン継ぎ」実践。
初めての経験とあって、実習生は微妙な力加減に苦労しながら、うまく行ったときの喜びはひとしお。



◎ホイールの振れ取り
最もプロ職人的な技術だ。
スポークを1本外してしまって、振れ取り用の器具に装着すると回転が左右に大きくぶれているのが分かる。
このようにスポーク全部が均等に張られていないとブレが生ずる。
どのように均等にスポークを張っていくかによってこの「振れ」をなくす職人技だ。
経験と勘と根気強さが必要だ。
講師のOhbaya4さんはこれを1から組み上げていくそうだ。
プロが驚くほどの技術らしい。





こうして熱のこもった講習会が終わった。
外はカンカン照りの上天気。
今日習った道交法を反芻しながら、ゆっくり走って帰ることにしよう。
しかし、常識かと思っていたのが、ただの思い込みだったというか、法律が実情に合ってないと言うか、意外な発見がたくさんあった。
だいたい「自転車は軽車両なので車道を走る」というのは、自動車やバイクと同じように走れということだと思っていたのは大間違いだったな。
これからはもっと謙虚に道路の左端を走ることにしよう。
しかし、車道の左端は側溝だったり、アスファルトが盛り上がっていたり、コンクリートとの継ぎ目が段差や溝になっていたりで危険がいっぱいだ。
歩道を走ると横道が来るたびに段差。通行可の歩道は段差をなくしてもらいたいもんだ。
これは「道交法」じゃなく、道路整備の問題か。
じゃ、次の講習会は「道路整備」を管轄する部署の美人係官がいいかな。

2010年7月11日日曜日

10.07.11 郡上八幡観光ツアー

10.07.11 郡上八幡観光ツアー

このところの天気予報は九州・四国地方の豪雨と、北海道まで含めた日本全国に注意報や警報を流し続けている。

7月11日の日曜日も愛知県・岐阜県とも「曇り時々雨ところにより雷を伴う大雨」といった具合で、結局いつどの辺りで降るものか、または降らないのか、今一つはっきりしない。
まあ、梅雨の真っ只中、いつでも降られると思っていたほうが間違いない。
しかし昨日のような上天気になることもあるのだ。
今日も晴れ男の集まり次第では少しは晴れてくるかもしれない。

Ohbaya4さんたちがスイトピア江南を7時に出発するという案内が掲示板に載ったので、合流して桐谷坂を避けたコースを連れて行ってもらうことにする。
桐谷坂は確かに結構斜度がきつい上に交通量が多くて、排気ガスで空気が悪く、しかも車ですらアクセルを目一杯ふかして登り切った所で、峠を越えるとその勢いのまま一気に下っていくので、自転車走行は危険な場所だ。



Ohbaha4さんとピナレロレロ大矢さん、それに、このところロングライドやタイムトライアル系ばかりでなく、ヒルクライムでもどんどん記録を伸ばしている小牧市民さんも加わって4人になり、7時に出発した。

Ohbaya4さんはいつも無理のない快適な速度で牽いてくれる。
4人がいつも同じ間隔で進んでいける。
たまに小牧市民さんの鈴の音が聞こえなくなったと思うと、あちこち道草して写真を撮ったりしているが、余力があるからすぐにまた合流する。

どうしてこんな道を知ってるの?というようなコースを走って快調に進んでいく。
大回りしても、早い時間に美濃のにわか茶屋に到着した。



NPO北條さんはすでに待っていてくれる。宵っ張りのくせに朝も早い人だ。
オレンジ大好きクプさんも新人を2人連れて登場。
もう一人新人が単独で参加かと思ったら、どうやらOCCの若手のようだ。
Bianchiマニアさんも現れたが、今日は奥様孝行で、車で郡上観光らしい。

雨も降り出しそうな気配だが、集まった9人は雨にも負けず走りたい人たちばっかり。
この気象条件の中ここまで集まってくるような人達だから当然か。

簡単にコース案内と、記念撮影を済ませた後、幹事のNPO北條さんが先頭で牽く。緩い上りを30km/h弱の速度。
「このくらいで大丈夫ですか?」
「まあ、今のところはね」
勾配がきつくなっても速度は変わらない。着いて行けるか?
ここで離されると後が余計にきつくなるので、必死に食らいついていく。
今日は「観光サイクリング」じゃないの?

斜度は緩いとはいえ、平均2.5%~3%。きついところは5%以上になるだろう。
それを29km/hはなんとか着いていけても、32kmまで上げられちゃもうお手上げだ。
どんどん間を開けられ、後続にも抜かれる。




美並の「子宝の湯」で小休止。やれやれ。
クプさんは今日はMTBにしたから、なおさら大変だったろう。よくここまで離れずついてきた。
ここで行程の約半分だとか。ここからは速度を落として、25km/h目標で牽いてもらう。


雨が降り始めた。すぐに大粒の雨で顔が痛いほどだ。
雨対策のキャップを被っているので、顔から水が流れ落ちることはないが、それにしても全身びしょ濡れになってしまった。




郡上の中心部は昨日から盆踊りが始まっていて、大勢の人で賑わい始めたそうだが、さすがにこの大雨の中、昼間の時間には観光客の姿もまばらだ。



Ohbaya4さん、小牧市民さん、OCCの若手の3人はこの後用事があって、このまま引き返すようだ。

旧庁舎が観光案内センターになっていて、中で食事も出来る。

残った6人が食券を買って席に着くと室内は寒い。
濡れたジャージが身体につくと冷たい。
係りのおばちゃんに暖房に切り替えるかエアコンを止めてほしいと頼むと快く引き受けてくれた。



食事をしているうちに雨が止んでくれることを願ったが、そうそうこちらの都合のいいようにばかりはいかない。

外は土砂降り。豪雨と言っていいくらいだ。
それぞれ手持ちの雨具を身につけて、帰路につく。


帰りは下り基調で楽といえば楽だが、この雨で視界は悪いし、スリップの恐れもあるので、極力はやる気持ちを抑えて、スピードを落として進む。
復路は上ってきたときより遅いくらいだがそこは我慢。
北條さんも幹事としての責任感から一定の速度で安全に下る。


ところが、どんなに注意していても危険は忍び寄る。
ちょっとしたコンクリートとアスファルトの継ぎ目の段差でピナレロレロ大矢さんが転倒。
後続は巻き込まれずにうまく逃げた。
後ろを振り返ると、その後ろには軽自動車も止まっている。あァ止まってくれたから良かったが、突っ込んできたら大惨事だ。
幸い多少打撲はあるものの大丈夫とのこと。外見はスリ傷ひとつ見当たらない。
自転車もチェーンが外れただけで他にはどうということもない。
走り出してみたが特に問題はなさそうだ。

にわか茶屋まであとわずかのところでミニベロパンク。
この辺りで待機してもらって、クプさんに、にわか茶屋から車で回収に来てもらうことになった。
クプさんは若いのに肝が据わっていて、物事に動じないで自分でてきぱき動く。
きっと後輩の信頼を得て、人を動かしていける人なんだろう。



にわか茶屋に到着して、一応今日のサイクリングは終了。
NPO北條さんは幹事として、雨の中の強行開催は判断ミスだったと、責任を感じておられたようだが、一人で責任を負うことはない。
最初から最後まで全行程、先頭を牽いてくれて、それだけでも十分責任を果たしてくれた。

ACAサイクリングの参加規程に「自己の責任に於いてサイクリングできる方」とある。
今回も雨の中でも走りたい人たちが集まって、自分の意思で走りきったのだ。
しかも、こういった天気の下でも集団で走る安心感もあって、自分の力以上のものを引き出してもらって、すごくいい経験になったと思う。
自転車に乗るときの心構えも、体力も、ほんの少しでも成長できた気がする。
60歳にして「成長」とか「向上」を実感できることってなかなかないよ。


にわか茶屋からスイトピア江南まで、ピナレロレロ大矢さんと二人きりだ。
156号線を真っ直ぐ帰るなら道に迷うこともないだろうが、桐谷坂を避けようとすれば関の町を東に迂回しなければならない。
斜め左の道を選んで関市役所方面へ向かったが、自然にまた関・江南線に戻ってきてしまった。
ひとつ峠を越えて、大矢さんは先を急ぎたいようだが、こちらはなんだか急に疲れてきて足が回らない。
見覚えのある風景になって、もうすぐ桐谷坂だなと思う頃には大矢さんと随分離れてしまった。
左手にコンビニ。ここで水分とエネルギーを補充しなくては。トイレにも行きたいし。
大矢さんに連絡しようとケイタイを取り出すと、画面は真っ黒。雨に濡れて使えなくなってしまっている。肝心なときに役立たず。

いまさらどうしようもない。用事を済ませて後を追う。
怖れていた桐谷坂は、今日はそれほどでもなかった。
歩道を走って登坂車線の左側のゼブラ帯を走ったら、案外苦しまずに登れた。
下りも運よく車がほとんど来なかったので不安はなかった。
ピナレロレロ大矢さんがまだスイトピア江南の駐車場にいることを願いながらペダルを回す。
やれやれ間に合った。お互い無事で再会できたことを喜び合う。


雨の中のサイクリングはやはり大変だ。多くの危険が伴う。
視界の悪さ、ロードバイクのタイヤの細さと硬さからくるスリップや転倒。
最後の命綱「ケイタイ」までもが雨のために使えなくなってしまったり。

それでもそういった諸々の条件も、あるがままに受け入れたいね。
「君子、危うきに近寄らず」とは言うものの、あれも怖い、これも危ないばかりの人生つまらんもんね。
多少の冒険やチャレンジはしてみたいじゃないか。
それに、どう転んでも「君子」じゃないしね。

2010年7月10日土曜日

10.07.10 相撲部屋と臥龍の松

10.07.10 相撲部屋と臥龍の松



梅雨の最中、久しぶりに晴れて、これまた膝を痛めていたFさんの久々の担当サイクリングということで、日進市役所駐車場まで輪行で出掛けた。

輪行もいいけど日進まで行くには上小田井から豊田行きの地下鉄に乗り換えなければならない。
地下鉄は全駅停車するので時間は掛かるし、退屈この上ない。
自転車を置ける端の席に座れたのは良いが、停車するたびに「何だかなぁ」という思いに捉われる。



集合場所には早めに到着したと思ったが、すでに大勢集まってきている。
ガッキーさんもしばらくぶりのような気がするし、S山さんやテラさんも然り。
ピナレロレロ大矢さんやオレンジ大好きクプさんはそんなに長いこと会わなかった訳でもないと思うが、何しろ6月のイベントはほとんど雨にたたられたり、都合がつかなかったりしたので、どっちにしろ皆久しぶりだ。赤いランドナーさんやピンクのルイガノさんも。


花籠部屋、松ヶ根部屋(若島津、高田みずえ)、鳴門部屋(稀勢の里、若の里)など相撲部屋の朝稽古と、妙仙寺の樹齢400年の臥龍の松を見て回るお寺巡り。
その間に長久手古戦場見学とタイカレーの昼食。
最後は愛知牧場のジェラートなど乳製品のデザート。
の予定。




花籠部屋に近づくと気合の入った声が響いている。
土俵の上で若い者が稽古をつけてもらっている。
倒されても、転がされても、砂だらけの身体を起こして向かっていく。
とうに力尽きているのに気力だけで起き上がっているようだ。
こうして「心・技・体」を鍛え上げていくのだろう。
ただ、時津風部屋で起きた暴行死事件のようにエスカレートしないよう、どこかでリミッターをかけることも必要だ。
今、揺れにゆれている相撲界。
ただのスポーツ以上の、伝統ある国技であるというなら、全員が襟を正して真摯に取り組みなおさなければいけないだろう。




松ヶ根部屋に10時に到着。ちょうど稽古を終えて休憩したり片付けたりしているところだった。
稽古は早朝から始まって10時には終わるスケジュールになっているのだろう。
ここの親方は細身の二枚目で知られた元若島津、おカミさんは元アイドル歌手の高田みずえだが、姿を見ることは出来なかった。


3ヶ所目の鳴門部屋は、今後の相撲界を背負ってたつと言われて久しい「稀勢の里」の所属する部屋だそうだ。


ところが残念なことに後方で走っていた人が落車事故を起こして、救急車で運ばれたという連絡が入ったので、他の人は先へと進んでもらうことにして、数名で事故現場に戻った。
緩い下り坂で、危険が潜んでいそうな場所にも見えないが、事故というのはどんなところにも入り込んでくる。





鎖骨骨折をしたらしい事と自転車のハンドルやサドルの傷み具合から、単独事故にしては激しく転倒した様子がうかがえる。
初参加の人だが、幸いにも地元の人なので、本人や家族の人にも連絡がつき、自転車を回収してもらったところで先発隊と合流するべく連絡を取る。
結局途中は全部パスして、愛知牧場で待つことにした。




愛知牧場ではジェラートやバーベキュー目当ての人たちで賑わっている。
我々はバーベキューハウスで、牛丼やそばを注文。
屋外では陽射しの中で親子連れが楽しそうにバーベキューの煙を上げている。

食事を終えてジェーラートを食べているところに皆合流してきた。
いつもは泡の出るのが好きなガッキーさんも今日は珍しく牛乳を飲んでいる。
やっと健康志向に目覚めたのだろうか。


そんなこんなで今日の走行距離は40kmにも満たなかった。

柏森駅で再び自転車を組み立てていると、おじさんが寄ってきた。
「輪行ですか。わたしも自転車が好きで、週末に20km~30km乗ってます。
輪行用にダホーンの小径車を買ったんだけど、北海道に行って峠越えをしている時に、20%もあろうかという坂に、若い人が上っていくので、一緒になって頑張りすぎて背中を痛めてしまい、今はあまり乗れないでいる」

いろんなところに自転車の好きな人。好きだけど乗れない人。怪我をした人。
たくさんいますね。

頑張るところは頑張って、でも、あくまで趣味や道楽の世界なんだから、なるべく長く、楽しく走れるよう心掛けよう。

2010年7月5日月曜日

10.07.04 神坂峠ヒルクライム

10.07.04 神坂峠


6月は6日の三重グランフォンドの後、毎週日曜日が雨。しかも用事が重なって一度も自転車に乗れなかった。

4日の天気予報は未明まで雨、その後午前中曇、午後雨。
久しぶりのツールドあいちで、準備を始めるも外は大雨。自転車を積んでおくこともできない。
夜中は雨が激しく屋根を打ち続ける。
4時起床。
軽く食事をして準備しているうちに雨は静かになってきた。
自転車や靴や荷物を積み込んで5時過ぎ出発。


雨はすっかりあがった。雲間から陽が差し始めている。
東名高速から小牧JCTで中央自動車道に乗り換え中津川ICへ。
19号線で沖田の交差点に近づくと、正面の山から膨大な量の水蒸気が発散され、森林の深い緑がくっきりと見えてくる。

19号線からの風景


到着する前にコンビニに寄りたい。
ナビで確認すると沖田の交差点にあるサークルKが最後のコンビニだ。
中に入ると電ちゃんがいた。
Morimo10さんも。
いつも準備怠りなく、早いですね。


クアリゾート湯舟沢を過ぎて500~600m行った芝生の空き地が駐車場だ。
昨夜の雨で、ところどころ水溜りになっている。
青空もちょっと覗いたりして、天気は回復しそうだ。

芝生広場の駐車場



コースチェックから戻ったO西さんによると、
ゴール地点は霧が立ち込めている。道路状況は石ころなどもほとんどなく、水が川のように流れ出しているところもあるが、おおむね良好。
冷気が出て寒いくらいのところがあるが、ヒルクライムには格好の気象条件のようだ。


何週間も自転車に乗ってないし、平均斜度7.7%、13kmのヒルクライムを2時間以内に完走できるかどうかやってみないと分からないが、暑すぎる気候よりは確かに良い状況だ。
道も間違えようがないということなので、あせらずマイペースで上っていくことにしよう。


いよいよスタート。やや後方からのスタートとなった。
最初は緩斜面。同じように進んでいく。
少し勾配がきつくなると脚力の差がでて、振るい落としが始まる。


前の人との位置関係を見ながらも、無理せず、着かず離れず進む。
小牧市民さんが右側をするするっとすり抜けていく。
そのうちNPO北條さんも同じように駆け上がっていく。

我慢して漕ぎ続ければ、いずれ落ちてくる人を何人かは捉えられるだろうと思っていたが、一向に落ちてこない。
逆にずいぶん離されてしまった。
そのうち前も後ろも誰もいない一人旅。

うぐいすの鳴く声が谷間に響いている。
滝から落ちて冷気が漂っている場所に来た。
霧が濃くなって視界も悪くなってきた。
カーブを過ぎて今来た道を振り返ると、後方から人が近づいて来ている。

もうなんだか限界の感じ。
もう少しで9km地点。なんとかそこまで頑張ろう。そうすればあと4km。そこで体力を回復させて、あと3分の1を乗り切るのだ。
9kmを過ぎた。もう少しだけ行けそうだ。
じゃあ切りのいい10km地点だな。
ちょっと足を着いて水を飲んでいると、派手なジャージに身を包んだ2人。
O西さんと、これがミルクボーイか?
元気な足取りだ。靴を貸してくれた人のパワーまで貰ったに違いない。
霧の中を上っていく人を撮影して、気合を入れなおす。


あと3km。
あと2km。道は緩斜面に見えるのに進まない。
サイコンの50mが500mに感じられる。
まるで修行僧だ。
しかし、今回は背中やお尻がそんなに痛くもならなかったことが救いだ。
ただ、踏めども回せども、ほんのわずかしか進まないことがストレスだ。
もう少しパワーが欲しい。もう少し速く回せる脚力が欲しい。
しかし今はあるだけの自分の力で上っていかなければいけない。


霧の中に人が立っているのが確認できる。その先は何も見えない。
どうやらここを右折するようだ。
右側を見ると、ぼんやりと人影と、ACAの旗が見える。
スタッフの女性が「10時26分です」とコールしてくれる。
Sガさんが出迎えて、ゴール後の記念写真を撮ってくれる。


山小屋「萬岳荘」


山小屋「萬岳荘」でスタッフが準備してくれたカップ麺をいただいてレースの余韻に浸る。
小牧市民さんは1時間2分だったそうだ。惜しい。もっと前列からのスタートだったらきっと1時間で走りきったのに。
まじめ少年さんも満足そうな表情だ。
ひげおやじさんやミシガンさんも到着した。
ひげおやじさんは一時の膝痛がウソのように、神坂峠を上ってきても何ともないそうだ。すごい回復力。

そのうち雨が降り出した。
こうなると防寒具どころか、完全に雨対策。
レインコートの上下、フード付き。買ってまだ一度も使っていなかった雨用のシューズカバー。リュックを背負って、ミシガンさんに先導してもらって山を下りる。

ところが、ロードのブレーキは使い勝手が悪い。三本指ブレーキを引いても雨で滑る。肩も腕もガンガンに力が入ってしまう。
疲れて握っていられなくなって下ハンに持ち替える。
ヒルクライム用にグリップを少し上げたせいか、下ハンブレーキは角度的に持ちにくくなっている。上体を随分前に倒して、しかも腕を下から上に持ってこなければならず、長時間この体勢を保つのは無理だ。

思いのほか長く感じられる下りもミシガンさんのコース取りの選択眼や、穴や溝や荒れた路面に対応したスピード制御のおかげで安全に下りてこられた。

再会を約して帰路につく。

天気予報と違い、空はどんどん晴れてきて、青空の占める割合が大きくなってきた。

今年の梅雨の雨量はそうとうあったんじゃないだろうか。
来週からも行事は目白押し。
担当幹事さんやスタッフの皆さんのご苦労を考えたら、どれも雨で流されたりしないよう、早く梅雨明けして、カラッと晴れて欲しいものだ。