花と音楽のある暮らし

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2011年6月5日日曜日

11.06.05グランフォンド三重・美杉

11.06.05グランフォンド美杉

津市一志庁舎駐車場に集合。
今日のいでたちははるばる大英帝国からやってきた2XU(ツータイムズユー)のCompression Recovery Leggins  と Compression Recovery Sleeves の、どちらも身体にぴったりフィットして絶対にずれることのない着圧アイテム。
それにパールイズミのビブショーツと半袖ジャージ。
タイヤはBridgestone EXTENZA RR2。はたしてグランフォンドで味方になってくれるのだろうか。

・・・などと考えながら準備を始めていると、知ってる顔もだんだん集まってくる。
知ってる顔というのはもちろん、探訪あいちでも一緒になったりする人達と、ツールドあいちでしか顔を合わせることのない人達もいるが、みんな当然のようにロングコースに行く人達ばかりだ。


昨日までにルートラボを何回も眺めては勾配を測ったりして、ノーマルコースのほとんど峠2つ、90kmに対して、大きい峠が4つほども多いロングは完走できない公算が強いと、ノーマルコースに決めていた。

今日の参加者は全体でも69人の予定ということなので、ノーマルコースは少ないかも知れない。




走りながらの撮影は難しいので、やはりスタート時の写真を撮っておくことにした。
そうそうたる面々が前方に位置取りしてスタートの瞬間を待つ。
連続シャッターではなく手動で押しているのとカメラの動作が鈍いのとで、思ったショットが狙えているわけではないが、それでもなんとなく雰囲気は伝わるだろう。

全員出走後あわてて後を追う。
朝一で設定しておいたATLASは、スタートまでのバッテリーがもったいないので一旦OFFにしておいた。電源ONすると、現在地図は表示されるものの今日のルートが見えていない。タッチパネルを操作して一応表示してみたものの、これが本当に今日のノーマルコースかどうか一抹の不安。
でもいつまでもやっていられないので取り敢えず出発。

後方集団のペースがちょっと遅いので、車を確認しながら一気に追い越す。
その前の集団にはガー民ペア。派手な(というか、Garminチームの)ジャージだからよく目立つ。
この人達はロングに行くから、ここもパスして前に出る。

左は一面の田んぼ。土手の草刈をしている。ちょうどそこへ差し掛かったとき、刈払機の歯が割れたビンを引っ掛けて飛ばした。こちらに向かってきてタイヤのすぐ脇に落ちて爆ぜた。
すんでのところで難を逃れたが危なかった。これは自分の不注意じゃないけど、災難はどこにでも潜んでいるということだ。できるだけ周囲に気を配って走ることにしよう。


緩斜面を一人で走っていると、ずっと前方にひとり姿が見える。ATLASはすぐ横の小橋を右折する青いラインが引かれている。
小橋の向こう側にいるおばあちゃんが呼んでくれた。
「こっちだよ。ひとりはあっちへ行っちゃったけど」

橋を渡るとこんどはおじいさんがにこにこしながら「何かの大会かね」
「60人くらいで山道のサイクリングを楽しんでいるんです」
おじいさんもきっと、派手なジャージを着たサイクリストの元気な姿を見て、賑わいとか活気とかを感じ取ったんだろう。


急勾配が始まって、一人見つけた。
並びかけて「人がいないですねぇ」と声をかけると、
「前に3人いるんだけど」と応えてくれた。
前を追おうと思う。
しかし勾配は徐々に厳しくなってくる。これが確か6~7km続くんだよな。



「追いついた」と言ったと思うと、ペダルをクルクル回しながらガー民さんがあっさり追い抜いていく。こういう脚の細い人って坂道強いんだよね。
エッチラオッチラ上っていくと峠に3人待っていてくれた。
といっても、私を待っていてくれたわけじゃない。それぞれの仲間が到着するのを待っている。
ガー民さんのペアも揃った。平地で随分離してきたと思ったのに、桜峠ですぐに捕まってしまったわけだ。

下りは水が流れているし、落ち葉や砂利が散乱しているから、ゆっくり安全第一で下っていく。
広い道路まで出れば道は乾いていて快適に下っていく。
下りきるともう一度上り返しがあるが、今度はさほど距離も勾配もきついわけじゃない。4~5人いるのを抜いてひとこぶ越えた。

もうそろそろロングとノーマルの分岐点。目の前の坂をもう一つ越えたら分岐点が見えるだろうと、初めて気分良くダンシングで乗り切った。その勢いで下りかけたらATLASから青いラインが消えている。
しまった、分岐点に気づかず通りすぎてしまったんだ。
戻るとさっきの5人がこちらに真直ぐ上ってくる。この人達はみんなロングに向かうんだ。根性あるなあ。


コンクリートで固められた急斜面を、思いっきりブレーキを引きながら下りていくと、368号線の広い道路に出た。
周りを見渡してもやはり追ってくる人はいない。今日も一人旅だ。
しかし、一人旅も慣れてきた。一人っきりでも臆することなく前に進めるのは
ATLASに青いラインがしっかりと示されているからだ。



奈良県の標識がある。ノーマルコースでもちょっとだけ奈良県に入ったんだ。
道の駅御杖に到着。




自販機でアクエリアスを補充していたら、地元のローディーさんと出会った。
「遷都くん」の前で写真を撮ってもらって、せっかく出会ったんだからと、また別の人に頼んで、一緒に撮ってもらった。
ブログのアドレスを入れた名刺を渡して、ぜひACAのホームページも覗いてもらうよう紹介しておいた。
この先「道の駅美杉」への道はなかなか快適だよと教えられて気持よく走りだす。


道の駅美杉の手前の信号で左折。小さな村の間を抜けながら、全体に下り基調。快適に漕げるはずなんだが思うようにスピードが上がらない。
EXTENZAは転がり抵抗が少ないという謳い文句なんだが、ひょっとしたらタイヤの方向が逆なんだろうか。
それともサイコンのバッテリーが減って、きちんと速度が測れないんだろうか。
本人は35km/h以上出しているつもりなのにメーターは30km/h止まり。
ちょっとイラつきながら三叉路まで来た。
そうそうここを右折すると矢頭峠を越えて、まもなくゴールに近づく。

平均斜度10%近いようだが距離も2kmも無かったはず。2XUのおかげか脚に痛みもないし、曇っていても蒸し暑いようなこともなく、むしろ山中は涼しい。山岳グランフォンドには最適な気候。
美しい杉林の景色を楽しみながら焦らず上っていくことにしよう。



ルートラボでもしっかり見ていたのに、こんなに厳しいとは思ってもみなかった。
大きく喘ぎながら、最後まで諦めず足を着くまいと思っていたのに、もう足が回らない。ビショビショした枯葉に乗って妙な感覚が伝わってくる、転倒するよりは一度体制を整えよう。
ついに足をついてボトルの水を飲む。
涼しいのに額から汗が流れ落ちる。
このへんで誰かに追いつかれるだろうと後ろを振り返ると、水の流れる急坂がある。
このくらいの峠でこんなに苦しんでいては、もうヒルクライムやグランフォンドは辞退したほうがいいのかも知れない。そういえばシノブさんや中さんみたいな特別な人もいるにはいるけど、そういう特別な人を除けばすでに最高齢になってきた。せいぜい昨日のように入鹿池の周りをポタリングするくらいが似合うというものだ。

残った補給食を全部食べて、少し歩きながら息を整える。
クリートが滑って自転車と支え合わなければ登れないほどだ。

苦しいのはやめようと考えながらもう一踏ん張り。矢頭峠を越えた。
下りに入っても細くカーブする水の流れる道では全く時間が稼げない。
下ハンが使えるようになった分多少楽になったが、それでもほとんどブレーキをかけっぱなしで昨年上った坂を今年は下っていく。

やっと平地になってほっとしながら一人走行していると、後ろから一気に追い上げてきた一団の先頭が「あ。山田さんだ。付いてくる?」
ロングコースのトップ集団だ。
30km以上も余分に走り、しかも4つの峠で1000m以上余計に上り下ってきた人達。今日のコース設定なら絶対抜かれることはないだろうと思っていたのに、あっさりと6人に抜かれた。



少しだけでもトレインに乗って行こうと後ろについたのを、先頭のM浦さんが確認して、少しスピードを抑えてくれたようだ。
これなら何とかついていける。
川に沿って大きく右に曲がると先頭のM浦さんの乗車フォームが見えた。
ふくらはぎの美しい筋肉と細い足首。無理なく回るペダル。リラックスしたフォーム。いかにも楽しそうなリズミカルな動き。
こういう人と例えわずかでも一緒に走れたのは幸運としか言いようがない。
その後も前方から来る車や路地から出てくる人影、落下物など手指示で教えてくれるので、前方との距離だけ注意して走ればいい。
さっきまで全然上がらなかったスピードが、トレインに乗っていると無理なく35km/h以上出ている。7kmくらい牽いてもらった。



そしてゴール。
7人同着ということになった。6人はロング。
私1人はノーマル。しかもノーマルの1着。こんなことは2度とあるもんじゃない。しっかり記録用紙を写しておいた。何枚も。

みんなが到着するのを待って、誰かれ構わずM浦さんやH木さんやyasuさんと同タイムでゴールしたと言ってまわった。


今日の悲しみ
・刈払機がはねたガラス瓶に直撃されかけたこと。
・矢頭峠で絶対に足をつくまいと思っていたのにすぐに諦めてしまったこと 
・こんなヘタレじゃヒルクライムやグランフォンドは無理だと実感したこと
今日の喜び
・人との出会いがあったこと
・M浦さんたちトップ集団のトレインに乗せてもらったこと
・ゴールまでついていけるよう気を遣ってくれたこと
・1着になったこと。そして記録係をしてくれたT田さんが一緒に喜んでくれたこと

4 件のコメント:

  1. お疲れ様でした。

    最後の矢頭峠はきつかったですね~!
    自分もホント足つきそうになりました。

    きついながらも、和気藹々のツールドあいち楽しかったですね!

    また次回もよろしくいお願いします。

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  2. 今日の喜びに一つ追加
    ・こるなごさんにコメントをもらったこと

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  3. このコメントはブログの管理者によって削除されました。

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  4. ガー民さんのメルアドが残ってしまうので、削除してしまいましたm(__)m

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