花と音楽のある暮らし

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2018年12月26日水曜日

手話で発表・平成の思い出

先週の手話講座の終了間際に宿題が出た。
「来週は、平成の30年間で印象に残ることを手話で発表してください。時間は一人2分間程度でお願いします。」

平成の時代で印象に残ることといえば、小渕官房長官が「新しい年号は『平成』です。とTVで発表したときの『平成』の文字が理想的に整った筆文字だったことが真っ先に思い浮かぶ。

次に来るのは、今年の漢字が『災』であったように、阪神淡路大震災や西日本豪雨や熊本地震や北海道地震、なんと言っても脳裏に焼き付いて離れない東日本大震災の津波の映像。

しかしこういったことは2~3分の手話で語れるような話ではない。
もっと身近な、自分のこととして話せる題材にしたい。


考えた末に、最初に「平成という時代は、その名前の平穏なイメージとは逆に、災害の多い時代でした」と言ったあと、自分の話に持っていくという手法。

フルートと手話を比較するのが話がまとまりやすいかと思いついたら、文章はすぐに出来上がった。

しかし、ちょっと待てよ。
確か「今まで習った文法を取り入れた文章にすること」と言われたような気がする。
手話で言う文法は、動詞や形容詞の活用形とか助詞の使い方とか言うのとは全く違って、「指差しの活用」「具体的な表現・顔の表情」「空間の活用」「指の代理」「同時性」「繰り返し」「位置と方向」「役割の切り替え」などの表現方法。

いま作った文章にそれぞれを当てはめてみて、少し書き直す。
分からない単語を「わたしたちの手話・学習辞典」で引く。
辞書に出てこない単語は言葉を言い換える。
何しろ語彙が少ないのでちょっとした文章でも、表現しようとすると難しい。


今日になって思いついて、文章を分かち書きのように書き直してみた。
助詞や余分な言葉を削り、できるだけ言葉が手話に対応するようにしてみた。

出かける直前に元の文章も分かち書きの文と同じ内容に書き直して、「文法」を青ペンで付け加えた。


文章に「文法」を記入した

分かち書きのように余分なものはとりのぞい



手話講座の教室で
カードを引いたら講師に一番近い席。
「宿題を発表してください。では、こちらから順に」
真っ先に当たった。

ビデオカメラに向かっての発表。
原稿を何回も書き直したので、自分で書いた文章なのに暗記できていない。
テーブルに原稿を載せ、ちょっと下を向きながらの発表になってしまった。
2分どころか5分近くかかったと思う。

ろう者の講師から「お疲れさま。いくつか分からないところがありました。」
「ここは何を言いたかったのか」とか「ここはどういう意味でこうしたのか」とか質問されて、「言葉の使い方に少し間違いがありました」という指摘も受けた。

健聴者で、最高位の通訳者でもある講師からは
「文法をたくさん取り入れて、いい文章になっていたと思いますよ。」
「ただ、先生と子どもたちとの役割の切り替えは体の位置が極端でしたね。そうすると、見ている人からは手話が分かりにくくなってしまうので、そのへんを考慮するといいですね。」


他の人の発表を見る。
相変わらず読み取りが苦手。
みんなそれぞれ辞書を引いたりして文章を作ってきているので、知らない単語が結構多いせいで、分からない話も多い。
講師が質問して「これはどういう意味?」とかやっているうちに、なるほどと思えたりもする。

年内最後の手話講座。
年末のせいかインフルエンザの影響か、いつもより少ない人数だったが、みんな緊張しながらもよく頑張った。
よほど練習してきたのか、手話に慣れてきたのか、すごく上手に発表した人もいる。

平成の終わりがけに始めた手話が、元号が変わっても楽しくやっていけるといい。
ろう者とも、健聴者の手話仲間とも気持ちがつながっていけたらいい。


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2 件のコメント:

  1. 発表原稿を読んで、YMDさんが何を会得しようとしているのかが
    良く分かりました。
    音の表現で伝えるフルートと指や顔の表情で伝える手話。
    ところで発表に付いての質問もろう者の方からは手話でされるのですか?
    健聴者の講師からの質問も手話ですか?
    それにしてもフルートも手話も奥が深いですね。

    私事ですが正月はクラシックコンサートに行きます。
    私の場合はただ聞くだけですが・・・笑

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    返信
    1. ぶるほんアンカーさん、コメントありがとうございます。

      発表内容は、いわばこじつけなんですが、文章というのは本人の物の考え方が自然に出てきてしまいますね。
      普段、口数が少なく控えめな分、どこかで自分を主張してみたい(笑)

      発表の後、ろう者の講師からは手話で質問や間違いの指摘を受けましたが、他の受講生たち自分の発表に備えて緊張していて、質問どころではないようでした。

      フルートも手話も、若い時から始めていればもっと楽に身についていくんでしょうが、高望みしてもしょうがないので、少しずつ仲間を作りながら楽しんでやっていこうと思ってます。

      正月のクラシックコンサートですか、贅沢な趣味ですね。
      なかなか自腹ではチケット買えません(泣)

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