シルヴィア・カレッドゥ
フルート公開マスタークラス
&ミニコンサート
【名古屋公演】
4/20 mon.
ドルチェ・アートホール Nagoya
受講生はマスタークラスというのだからコンクールを目指すほどの力量の持ち主2人。
講師はパリ・エコール・ノルマル音楽院教授でもありフランス国立管弦楽団 主席フルート奏者のシルヴィア・カレッドゥさん。
この方の経歴がものすごい。
パリ国立高等音楽院を卒業後、ジュネーヴ国際音楽コンクールに優勝。
ウィーンフィルハーモニー管弦楽団その他の管弦楽団の首席奏者を歴任し、現在はフランス国立管弦楽団首席フルート奏者。パリ・エコール・ノルマル音楽院教授。英国ロイヤルアカデミー客員教授。スイス・チューリッヒ音楽大学教授。
そして2023年第77回ジュネーヴ国際音楽コンクールでは、フルート部門審査委員長を務めた。
受講生がマスタークラスを公開の場で受講する目的は、きっとコンクールに出場するための仕上げの演奏なのだろうと想像する。
一人目はオーケストラスタディーと題してドヴォルザーク、ラヴェル、ブラームス、ベートーヴェンの曲を演奏。
先生は「音がすごくきれいですね」とほめた後、もう一度最初から演奏させながら細かい部分を指導していく。
ブラームスの「交響曲第4番第4楽章より」のところで、「質問しますのでこちらを見たままで答えてください。」「これは何調の曲ですか?」
受講生が思わず譜面を見ようとすると、笑いながら「譜面を見ないで答えてね。これはE-mollの曲ですね。ところがE-durに聞こえる部分があります。」
「E-mollのスケールを、指をゆっくり押さえながら吹いてください。」
受講生が確かな音程で「ミ」から始まる短音階を吹いていく。
「この曲はそのスケールの感じのまま吹いてみましょう。」
曲を聴く中でその微妙な差を聴きとれるというのもさすがだなと思った。
と同時にあることを思い出した。
私がフルートのレッスンに通っていた時、やはり毎日一つの調と同主調のスケールとアルペジオの練習があった。「mollは最初の一音から単調とわかる音をだしてください。」難しいけど気持ち的には分かったような気がする。
やはり同じ音を吹いても明るい音、暗い音の違いを吹き分けられるのだ。
二人目の受講生は著名なピアニストが伴奏を務める。
曲はデュティユーのソナチネという曲らしい。
超技巧とも言えるようないろいろな技法も駆使しながら吹き終えた。
先生は「すばらしいです。なんといっても音程が全くぶれないところがいいです。このまま二人で進んでいってください。細かいことは考えなくてもいいです。全体として本当に素晴らしい演奏です。
でもせっかくの機会なので思ったことを少しお話しますからもう一度最初から吹いてください。
受講生が一番盛り上がる、力を籠めるところで演奏を止め、「かかとを挙げる癖はやめましょう。下半身はしっかり両足で立ち重心は下腹部です。力を籠めるときは
腹筋を固くするのではなく、下に向かって開放するのです。」
あとはピアニストに「この部分はペダルを使ってみたらどうか」とか、
「ヴァイオリニストがP(ピアノ)を演奏するときは弦を少し斜めにしてこうしますね。私たちはそれをアパチュア(口の穴)の小ささと息のスピードで表現します。」とか
「ヴァイオリンは胴の部分で共鳴させますが、私たちは顔の部分で響かせます。そのためには口の中を十分広くしておかなければなりません。」
また、「曲のここのところは何を想像しますか?広い海の上を鳥が舞っているように想像してもいいし、ほかにも何かイメージしながら吹けるといいですね。
指導されたところをちゃんと吹けるのもすごいと思ったけれど、聴いた先生も「トレビアン!すばらしい。完璧です。」
この人もフルートコンクールで名を馳せて活躍の場を世界に広げていくのだろうか。
一人50分ずつのレッスンを終えて「今日は2人の、いやピアノの方も含めて3人の素晴らしいアーティストと時間を共有出来てたいへんうれしかったです。」と締めくくった。
15分の休憩をはさんでシルヴィア・カレッドゥさんのミニコンサート。
ミニといっても伴奏に長崎麻里香さんを迎えてアンコールを含めたっぷり1時間。
卓越した演奏と指導力を兼ね備えたスーパーウーマンに感動。

0 件のコメント:
コメントを投稿