集合場所までは50km弱。7時集合だから余裕を見て5時に出発する。
もちろんまだ真っ暗。
冬用ジャージを着こんだからそれ程寒さは感じないが、岐阜は最高気温が14℃と予報が出ていたから池田山の山頂は寒いかもしれない。
集合場所に着いたころには柔らかな朱鷺色の朝焼け。今日は絶好のサイクリング日和になりそうだ。
こるなごさんは青のスカイジャージの上下。今日はこれにウインドブレーカーを1枚持てば十分だよと。
タロウちゃんは緑のスカイジャージ。「山田さん、冬用ジャージじゃ暑いよ」とアドバイス。
確かに冬用を着ている人は誰もいない。走り出して体が温まれば、防寒対策は不要かもしれない。
こんなこともあろうかと春秋用の長そでジャージも1枚用意してきたから車中で着替え。グローブも指切りに変えた。
集合写真を撮る段になって、うっすらと虹が掛かっている。GFの開催を祝福してくれるようで今回は気分が良い。
---今回はと言うからには前回というのがあって、5年前、初めてツールドあいちに参加したのもこの場所「GF徳山ダム」。
この時は開会式のころから本降りになり、とにかく訳も分からず置いて行かれないよう目いっぱいペダルを回して、それでも坂で置いて行かれて一人旅となったところでナビが雨で電源落ち。地図も濡れて判読不能。寒さに震えながら佇んでいるところを、親切な参加者に牽いてもらい、なんとか無事にゴールした思い出深い場所。
それだから余計に寒さに敏感になっていたのだろう。
先週の渥美ぐる輪の寒さも相当なものだった。
今回の心配事はミシュランPRO3の青い塗装がはげ落ちていること。そんなに使用期間も長くないのだが、よく見ればグレーのゴム部分もざらざらに荒れている。
ぐる輪のときのパンクで突き刺さった石は取り除いたが、雨の中の処置で細かいところまではチェックしていない。
もう一つはFlightDeck。昨日マグネット位置を調整して作動を確認しておいたのに、速度は表示されても距離が0のまま。ゴール後の距離申請はATLASのデータを採用するにしても、なんだか納得いかない。
スタートを連写して、すぐに後を追う。
信号で止まっている集団の最後尾には、このところ愛用のファットバイクに跨ったOhbaya4さん。
信号が変わったのを機会にひとつ前の集団について、いいペースで進んでいく。そのうち長い集団が二つに分かれて差が開き始める。
タイミングを見つけて前の集団のトレックロ親子に追いつく。ここにはコシダさんやパンタアニさんもいて快調に飛ばすが、信号の都合が悪く、せっかく離した後続集団にすぐに追いつかれる。
緩斜面を上って下って、どこからが池田山の登り口だったんだろう。
登り口が30km地点だったか頂上が30km地点だったかと考えているうちに本格的な急勾配が始まる。
ここまで同じように進んできた集団も、一気にばらける。それぞれマイペースで行くしかない。
みんな遠慮せずに先に行ってくれと思うが、何しろ10パーセントの坂が8kmにも及ぶ難所。脚に自信のある人はどんどん行ってしまうが、そうでなければ自重してなかなか前へ出ようとしない。
意外なことにkuwanaさんが遅れだす。途中でトッシィーさんに追いついた。
これはひょっとして自分が調子いいのかなと思う間もなく、電ちゃんに追い抜かれる。
急斜面の1kmは長い。ベストもジャージもほぼ全開。時折吹く風に癒されながらも、みちのりの長さに辟易してくる。
もうそろそろトップの選手たちが折り返してきてすれ違うころ。このあたりに陣取ってカメラを構えていようかと、止まる言い訳を考える。
しかしここで休憩していてはどんどん時間が過ぎて行ってしまう。
遅いからこそ一回転一回転でも前に行かなければ頂上へは辿り着けないのだ。
トップ選手たちが次々に下りてきて、頑張れよと声をかけてくれる。
あんまり何人にもそう言われるので、やっとカメさんとすれ違った時にはこちらから声をかけた「頑張れよ!」うん、なかなかいい気分。
頂上に到着。しかし周りは木々に遮られて見通しがきかない。展望台に上ってみたが緑色の塔の上まで行けるわけじゃなく、結局何も見えず。しょうがないから到着してきた人たちを上から写す。
下りて行こうとしたら左手にパラグライダーの飛翔場所で見晴らしがよいというので寄り道。
ここなら緑の傾斜地の下に街並みが一望でき、ゆっくり休憩するのにもってこいの場所。
だがそんなにゆっくりもしていられない。下りも遅いから先に行っちゃっていいよと声をかけ、危なくない速度で下っていく。後半はアスファルトがボコボコに劣化しているから特に注意が必要だ。
下りきった信号でコシダさんが待っていてくれた。
揖斐茶畑の道は坂とも見えないのに、インナーにしないと苦しい。
「こんな坂で苦しんでいるようじゃ、まだまだロングには行けないね」と言うと、コシダさんも同じ心境とうなずく。
Kさんと合流して、3人で仁坂坂峠に突入。
池田山を一つ越せば、あとはおまけ程度の小さなコブがあるだけと言っていたのに、思わぬ難所。
脚はとっくに使い切ってしまっているから、インナーローでゆっくりでも確実に上っていくしかない。
このカーブの後峠かなという期待も何度も裏切られ、それでも徐々に近づいているのが分かる。
元気そうに見えた2人も遅れ始めているから頂上で待つことにする。
頂上に辿り着いて、3秒後。
下りで置いて行かれるから、やはり先におりて、下ったところで待っていよう、と気が変わった。
快適に下った先は、岩崎峠を回避して岩崎トンネルを潜ることになったから、ずっと緩い下り。
もう止まる場所がない。時計に目をやると、まもなく12時。12時前にゴールできるのか。
それじゃここからは時間との勝負。ぐんぐん飛ばしてそのままゴール。11時59分。
順位やタイムにこだわるわけじゃないけど、やはり小さなきっかけがあると、それなりに頑張ってしまうところが競技の面白さだな。
そのあとにKさん、コシダさんはゴール後両足が攣ってしまったということで、飛び賞のメロンを抱えたまま座り込んでしまった。落ち着いたところでaQsimさんからストレッチを伝授してもらう。
今回のロング1位はささのってぃ。N良番長やこるなごさんを引き離してダントツの12時39分。
練習の成果が出たと自分でいうほど真面目に取り組んできたらしい。練習の成果がすぐに表れるのが若者たる所以か。
続々と到着後は地べたに車座になって、和気あいあいと話が弾む。
これがツールドあいちの楽しさの一つ。
こんな時間をいつまでも共有していたいが、それはまた打ち上げパーティーで。
今年度のACAの公式行事は一応これで終了。
探訪あいちも、ツールドあいちにもたくさん参加した。
そんな話も打ち上げパーティーでまた盛り上がるだろう。
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