09.11.15一宮競輪場 |
本来は一宮市民のための、一宮競輪場を走る競技会に「追い込み職人」さんのご尽力により、ACAも参加できることになった。
そうそうあることではないし、申し込みをすべきか、年寄りは遠慮すべきか迷っているうちに申し込み期限が迫ってきた。
ACAの年配の人たちも参加するよという話が伝わってこない。若いNPO北條さんですら迷っているようだった。
そのうち、もうこれが最後、締め切りという段になって、好奇心に勝てず申込みのFAXをいれた。
ついでに迷っていたNPO北條さんも誘って仲間に入れた。
ロード部門は
①1kmタイムトライアル
②1.6km追い抜き
③2km速度競走の3部門あるのだが、
「不安なら1kmタイムトライアルだけでも体験してはどうですか」という案内に従って、1kmタイムトライアル1本に絞った。
他の人たちはほとんど3種目に出場するようだ。
8時に到着して、様子を窺いながら準備をしていると、ACAのメンバーも集まってきている。
受付を済ませた後、練習走行をしても良いということなので、早速場内へ。
「白線と白線の間を外れないように走行しなさい」というアドバイスを受けつつ出発。
なるほど、スピードと進行方向と回転数をうまく調整しないと線からはみ出してしまう。
開会式の後、ケイリン1kmタイムトライアルに続いてロードバイクの1kmタイムトライアル。
我々の番だ。
先にスタートした人たちの走りの様子を見る。
最初は元気に飛び出していった人たちが、2週目に入ると急にフォームが崩れ、バンクに差し掛かると白線間を維持できず下へ落ちたり、あわてて体勢を整えようとしている。
そうなるともうスピードは上がらない。
最初から100%の力で押していくのはたった1kmとはいえ、無理のようだ。
順番がだんだん自分に近づいてくる。
本来はもっとドキドキしそうなものだが、周りはACAのいつものメンバーで、冗談ばかり言い合っているので少しも緊張感がない。
ロードバイクは「変速禁止」と聞いて、それまではリヤギヤは19でスタートして、カーブの手前または過ぎたあたりで17、ストレートで15位に持っていこうと思っていたが、変速禁止なら直線でスピードの稼げる15に設定。
係員にサドルを押えてもらってスタート。
全くの素人なのにこんなことまでしてもらって申し訳ないような、ヤッターというような感じ。
だが、立ちこぎではじめても、思ったより進まない。ギヤが重い。
カーブに差し掛かる。
白線からはみ出さないよう一定の速度を保つだけでいっぱいだ。
コーナーを抜けてストレート。思いっきり回したいのに、どうも普段ロード走行より早く走っている気がしない。
すぐに次のコーナーが待ち受ける。
落車だけは避けたいので慎重になる。早い人のを見ていたときはグイーンと一気に抜けていくように見えたのに、自分のはよちよち歩きのようだ。
バックストレートは強い向かい風だ。頭を下げて、体力を使い切ってしまわない程度に走る。
コーナーでは気を抜けない。
一番スピードの乗るストレート。何も出来ないままコーナーに入り、抜ける。
もう一度強風の圧力を全身で受けながら進む。「ラスト!」「あと半周!」「行けッ!」声援を送ってくれている。
声援に応えたいのだが、脚がついてこない。
やはりギヤはもう少し軽めに設定しておくべきだったななどと、今更仕方ないことを考えながら、見せ場を作ることなく、でもまあ無事にゴールイン。
1.6km追い抜き
400mのコースを2人の選手が、手前と向こうと両方からスタートして4周するわけだ。
受付順で進むので、ACAのメンバー同士の対戦の形となる。
こうなるとお互い負けたくないので1周目から飛ばして、気の抜けるところがない。
私はメンバーが苦しげに走る姿を、少しでも生の表情を捉えようと、連写する。
ズームレバーが壊れて、うまく反応しない。
立ち位置が悪く逆光で、苦しい表情を更に追い討ちをかけるように暗く写し出しているかもしれない。
それでも元気なうちのカットと、苦しい体勢になってからのカットと、一連の動きの分かる写真が何人か分は撮れたはずだ。
周回を重ねるごとに明らかに体力を消耗して、苦しげな表情をみせるのだが、それは両者とも同じことで、そんなに大差がつくこともなく終わる。
しかし、ACAの出場者は全員、ゴール後大きく息を弾ませ、咳き込んでいる。
弁当を食べている間も治まらない。よほど冷たい伊吹おろしに気管支を痛めつけられてしまったらしい。
2km速度競走
これはいわゆる競輪のような競技で、先導者+6人の選手が1列になって周回していく。
ACAのメンバーが揃って同じレースに出場するので、写真の撮り応えがある。
と思っていたら、スイッチONしたレンズがすぐに戻ってしまう。
もう一度ON。
バッテリーに×マークが付いた絵柄が液晶モニターに現れ、消えた。
しまった、フル充電できてなかったか。
最後の力を出し切って、スタートラインに並んだところでかろうじて1枚だけ撮れた。
後は展開を見守るだけ。
先導車に8番の選手がぴたりと付いていく。みんなバンクに慣れてきたと見えて、安定して走行している。
周回を重ねていくうちに電ちゃんの前が少しずつ開いてくる。
電ちゃんそれじゃ自分が風除けになってしまうよ。
打鐘(ジャン)が鳴って一斉に全力疾走する。
最後、混戦になると接触事故が心配だなあと思っていたが、そこまでガムシャラになることもなく、無事終了。
出場した人の話ではこれが一番面白かったらしい。
競輪場に来るのをためらっていたのに、一番競輪っぽい競技が気に入ったとは皮肉なもんだ。
だから何でもやってみるもんでしょ。
ああ、他人事じゃないよ。自分も参加してみればよかった。
考えているうちに腹が立ってきた。
1kmタイムトライアルしかエントリーしてないんだから、もう少し力を発揮できなかったのか。
倒れこむようなことはないにしても、真剣にやった人はもっと汗だくで、苦しい中にも達成感のある顔をしている。
スタート前から「遅くてもいい」などと言うのは「逃げ」でしかない。
勝ち負けもタイムも関係ないと思っていたけど、
いくつになっても負けるというのは悔しいもんだね。
Dst Tim Max Ave
自走往路 10.57 28’01 35.4 22.6
競輪場 1.33 3’22 41.3 23.6
自走復路 11.08 29’07 36.0 22.8
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