花と音楽のある暮らし

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2022年4月14日木曜日

読んでなかった本、読み返す本

いま図書館で借りているのは4冊。

「天声人語」は2月下旬に借りて「書き写し」を始めてから何度も返してはまた借りてきて、やっと2021年5月に入ったところ。




夏目漱石の「明暗」を最初に読み始めた。
近代日本文学の最高峰とも言われるのだが、今まで読んだことがなかった。
読み始めてみると、なにしろ主人公の「お延さん」があれやこれやと気を回し、緊迫感が生半可じゃなく、なかなか話が進展しない。
文庫本で651ページで未完となっている。
因みにこの新潮文庫の表紙は安野光雅画伯。
文章の中に漢字が多用され、ルビが振ってあるが、本当かな?と思うものも多い。例えば
「可いじゃないか(いいじゃないか)「何方(どっち)」「不図目を転じた(ふと)」「突き落とす積もり(つもり)」「煩さい(うるさい)」など。
まだ半分ほども読んでいないが、返す期限のことも考慮して中断、他のを先に読むことにした。


ヘミングウェイ「老人と海」
何十年も前に読んだが、内容はかなり覚えていた。
それほど話はシンプルで力強い。
精力あふれるこの作家の、一つの理想のような老人の冒険記。
少年との会話も慈愛に満ちていて微笑ましいし、ディマジオへの敬愛も読んでいて楽しい。
発表と同時に爆発的に売れ、ピューリッツァー賞とノーベル文学賞も受賞している。



ヘルマン・ヘッセ「シッダールタ」
これも高校生の頃に読んだが、哲学的なイメージだけが残っていて、内容はほとんど忘れていた。
昔の文庫本はこんなに文字が小さかった!というのが読み返すに当たっての第一印象。
主人公のシッダールタ(釈尊)は賢者の家に生まれ育ち、比類ない知恵と作法を身に着け、誰からも愛され憧れられながら、自身の中ではそれだけでは満足せず、探究の旅へでかける。
紆余曲折を的確に捉え、宗教的な色合いを出しながら、内面をえぐり出す文学作品として完成させている。

毎年、次々に出てくる本もいいが、文学作品として定評のあるものはやはり何年、何十年経っても色あせない。


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